低侵襲性人工血管の開発とそれに伴う数値解析手法の構築
・日時:2014 年 1 月 20 日‐24 日
・場所:九州大学伊都キャンパス
・Web site : http://www.imi.kyushu-u.ac.jp/joint_research/detail/20130008
・問い合わせ先:東北大学理学研究科・中澤嵩 email:nakazawa@math.tohoku.ac.jp

・組織委員:
中澤嵩(東北大学大学院理学研究科・助教)
鵜川豊世武(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・講師)
柳瀬眞一郎(岡山大学大学院自然科学研究科・教授)
堀部明彦(岡山大学大学院自然科学研究科・教授)
畔上秀幸(名古屋大学大学院情報科学研究科・教授)
田上大助(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・准教授)
佐野吉彦(岡山大学大学院自然科学研究科・助教)
関本敦(マドリード工科大学・博士研究員)

・目的:現在,人工血管はバイパス手術等の医療行為で用いられており多くの医療現場で必要不可欠となっている.しかし,人工血管と結合している血管内で血流量が上昇することやその結合部付近で本来の血管構造でないことから,通常発生しない症状が起きる可能性がある.そのため,実・数値実験を通して人工血管内血流解析がこれまで多くわれてきており,人体への影響が小さい(低侵襲性な)施術法が考案されてきた.
 このような人工血管施術において,我々の研究グループでは,血流量が制御できるように人工血管内部の構造が設計された低侵襲性人工血管を開発している.そこで,本短期共同研究の目的は,当該人工血管の構造設計を行うことである.その際,医者・工学者・数学者の議論を通じ,数学・数理科学的手法を活用して最適形状人工血管を設計するための数理モデル構築,また設計された人工血管の有効性を実証するための臨床実験手法構築を行うための議論を展開する.特に,数学・数理科学的手法については,血流解析を行うことから数値流体計算を,当該人工血管とそれに結合されている血管とを別の系で扱うため主に関数解析を基礎とする領域分割法を,血流量制御可能な当該人工血管の内部構造設計のため主に微分幾何学を基礎とする形状最適化等を用いる.このような議論を通じて,医者・工学者・数学者が互いの研究結果をフィードバックし,今後の共同研究をより円滑にするための足掛かりとする.また,本研究の最終目標は,当該人工血管の実用化であることから,将来的に産学連携を視野に入れるような枠組み構築もまた本短期共同研究中に行う.

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